クリスマスツリーとして有名なモミは、消臭作用や抗菌作用も注目される国産材
国産材のモミ(樅)は、モミソ、トウモミ、モムノキ、サナギ、オミノキとも呼ばれる常緑針葉樹。
名前の由来は、風に揉み合うことから「揉む」を語源とする説や、美しい萌黄(もえぎ)が語源という説、神聖な木で信仰の対象となっていたことから「臣の木(オミノキ)」が転じて「モミの木」となったという説もあります。本州、四国、九州に自生する日本の特産種で、身近な低山から深山の尾根部に生育します。
通常は全て白色で、着色した心材を持たず、辺心材の境目ははっきりしません。晩材部は褐色を帯びています。木理はほぼ通直、肌目は疎、軽軟で加工しやすいですが、保存性は低く、狂いが生じやすいことや乾燥に注意を要します。脂壷が現れるものもあります。
包装用の木箱やチェスト、卒塔婆、棺などの他、板・貫などの一般建材や建具材、土木材、器具材として用いられます。以前は、家具の心材や引き出し材としても多く使用されていました。
クリスマスツリーとして広く知られていますが、実は日本で使用されるツリーのほとんどは「ウラジロモミ」という種で、モミと似ていますが葉の裏の色を見れば違いがわかります。
香りはほとんどないながら、精油部分には悪臭を消すなどの特性があることが知られており、抗菌作用やホルムアルデヒドを除去する働きも注目されています。
写真出典:IPA「教育用画像素材集サイト」